1960~70年代の自作マニアが、自分専用のプリアンプを作ったら、きっと本器の様だったでしょう。当時のマニアは、市販品では満足できず、手間をかけ、試行錯誤を繰り返して音質を追求していました。トーンコントロール機能は、賛否両論ありますが、特に小型のスピーカーシステムの場合には、低域を補う上で必要不可欠でした。また、テープデッキへの対応も必須で、録音再生の機能は、レコードからカセットテープへの録音、FM放送のエアチェック等、当時の音楽ソースの中心でした。また、モノラル録音のソースへの対応として、ステレオ、モノラルのモード切替も良く使用しました。
使用真空管、12AX7・・・1本、12AT7・・・2本、12AU7・・・4本。
ボリューム、トーンコントロール周りは、シールドのためアルミの板で囲ってあります。電源トランス、チョークコイル類はできるだけ離して設置すること、また、容量に余裕のあるトランスを使うことで、発熱やノイズの発生を抑えることができます。結果的にアンプ自体のサイズは大き目になりました。
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入力、出力の信号系とAC100周りは極力離してある。ウッドケース下部にも穴が開いていて、下から上への空気の流れを作ってシャーシ内を冷却している。発熱の原因である真空管を空冷することは勿論、真空管以外の部品についても十分に空冷することによって、ノイズを抑え、長期間の安定した動作を図ることができる。 |
8球式全段SRPP無帰還プリアンプ
プリアンプにおいても電源部は大変重要です。ヒーター電源には大容量のコンデンサーを投入し、B電源には、小電流にも関わらすチョークコイルを使用するなど、リップル除去には厳重に対処しています。
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